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大阪地方裁判所 昭和55年(ワ)5545号 判決 1982年5月31日

原告

山中保子

被告

赤木文治

ほか三名

主文

一  被告らは、原告に対し、各自一三二万六六二一円及びうち金一二〇万六六二一円に対する昭和五三年一一月一一日から支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。

二  原告のその余の請求を棄却する。

三  訴訟費用はこれを五分し、その一を原告の、その余を被告らの負担とする。

四  この判決は、第一項に限り、仮に執行することができる。

事実

第一申立

一  原告

1  被告四名は、被告に対し、各自五五七万〇一四〇円及びうち金五〇七万〇一四〇円に対する昭和五三年一一月一一日から支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。

2  訴訟費用は被告らの負担とする。

3  仮執行宣言

二  被告ら

1  原告の請求を棄却する。

2  訴訟費用は原告の負担とする。

第二主張

一  請求原因

1  事故の発生

(一) 日時 昭和五三年一一月一〇日午前一〇時一五分ころ

(二) 場所 大阪府東大阪市善根寺町四丁目一〇番二三号先路上

(三) 加害車(一) 普通乗用自動車(大阪五八す二二四〇以下、甲車という。)

右運転者 被告赤木文治(以下、被告赤木という)

加害車(二) 普通乗用自動車(大阪五五う一二六〇以下、乙車という。)

右運転者 被告八木良一(以下、被告八木という)

(四) 被害者 原告

(五) 態様 甲車と乙車が前記場所で衝突し、乙車に同乗していた原告が負傷した。

2  責任原因

(一) 運行供用者責任(自賠法三条)

被告石橋鉄工株式会社(以下、被告石橋鉄工という)は甲車を、被告巴タクシー株式会社(以下、被告巴タクシーという)は乙車を、それぞれ所有し、自己のために運行の用に供していた。

(二) 一般不法行為責任(民法七〇九条)

被告赤木、同八木は、いずれも前方不注視の過失により前記事故を惹起した。

3  損害

(一) 受傷、治療経過等

(1) 受傷

原告は、前記事故(以下、本件事故という)により、頸部捻挫の傷害を受けた。

(2) 治療経過

昭和五三年一一月一〇日から同五四年一一月二八日まで榎本整形外科に通院した(実治療日数四一日)。

(3) 後遺症

前記受傷により、原告には、少くとも自賠法施行令別表後遺障害等級表一二級一二号に該当する頸肩背部の疼痛、眩暈、悪心、耳鳴、易疲労性等の症状が残存し、右症状は昭和五四年一一月二八日固定した。

(二) 休業損害 一七四万二〇八〇円

原告は、事故当時四四歳の健康な女子であり、自宅で縫製の仕事に従事していたが、前記受傷により昭和五三年一一月一〇日から同五四年一一月二八日まで休業を余儀なくされた。そこで、四四歳女子の平均月収一三万六一〇〇円を基礎にその損害を算定すると右金額となる。

(三) 後遺障害による逸失利益 八二万八〇六一円

原告は、前記後遺障害のため、労働能力を一四パーセント喪失したが、原告の症状固定時の年齢は四五歳であり、労働能力喪失期間は四年間、四五歳女子の平均月収は一三万九〇〇〇円であるから、この間の逸失利益を年別ホフマン式により中間利息を控除して算定すると右金額となる。

(四) 慰藉料 二五〇万円

(1) 通院慰藉料 九〇万円

(2) 後遺障害慰藉料 一六〇万円

(五) 弁護士費用 五〇万円

4  本訴請求

よつて、原告は被告四名各自に対し、3の合計額五五七万〇一四〇円及び弁護士費用五〇万円を除く五〇七万〇一四〇円に対する本件事故発生の日の翌日である昭和五三年一一月一一日から支払ずみまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。

二  請求原因に対する答弁及び被告らの主張

(被告赤木、同石橋鉄工の答弁)

1  請求原因1の各事実は認める。

2  同2のうち、(一)は認める。(二)については被告赤木になんらかの過失があることは認める。

3  同3については、(一)は不知、(二)ないし(五)は争う。

(被告赤木、同石橋鉄工の主張)

1  本件事故と原告の傷害との因果関係について

原告には、本件事故による受傷以前に既に第五、第六頸椎間狭小化等の身体的変化が存したところ、本件事故が契機となつて原告の主張するような症状が現われたと考えられるのであるから、原告の傷害の内容と本件事故との間に全面的に因果関係があるということはできず、事故の寄与度に応じた割合的な因果関係が認められるに過ぎない。

2  後遺症について

原告が後遺症として主張する症状は、前記のとおり本件事故以前から存した椎間の狭小化等の身体的変化に基づくものであるから、事故との間の因果関係には疑問があるところ、しかもその症状は、他覚的所見に乏しく心因的なものであるから、後遺症に基づく慰藉料及び逸失利益の主張は理由がない。仮に後遺症に基づく損害ありとしても、本件事故の寄与した分についてのみ認められるべきである。

3  治療期間及び休業損害について

原告の主張によれば、原告は本件事故当日から症状固定日の昭和五四年一一月二八日まで約一年間にわたつて治療を続けたことになつているが、原告の治療が長期化したのは、原告が持病の発作性の不整脈等を医師に訴え、理学療法を行うことに不安を示したため、医師としては本来ならば行うべき理学療法を行うことができなかつたことによるものであるから、長期化した治療期間中の損害をすべて被告らに負担させるのは不当である。

また、原告は平均賃金による休業損害を請求しているが、原告の収入は平均賃金を下廻つているのであるから、休業損害の算定に当つては原告の現実の収入を基礎とすべきである。

4  損害の填補

本件事故による損害については、次のとおり損害の填補がなされている。

被告石橋鉄工の任意保険より

治療費 六万一七二〇円

休業損害内払 一〇万円

被告石橋鉄工、同巴タクシーの自賠責保険より

治療費 七万四五六〇円

文書料 九〇〇円

休業損害及び慰藉料 一九万一一〇〇円

合計四二万八二八〇円

5  被告八木の過失について

本件事故の発生については、被告八木にも過失がある。すなわち、本件事故は、南北道路を北から南に進行してきた被告八木運転の車両と、南北道路と交差する西側道路から北行車線を横断して南行車線に進入して右折しようとした被告赤木運転の車両とが衝突したものであるが、当時北行車線は渋滞しており、車両が連続して停車している状況であつたが、被告赤木が北行車線の停車車両の間を通つて道路を横断し、南行車線に進入しようとした時点では、被告赤木が通過してきた北行車線の道路中央寄り車線の停車車両の間隔は約八・二メートルも空いていたのであり、南北道路を南進してきた被告八木としても、対向車線が渋滞して連続して車両が停車している状況の中で約八・二メートルもの間隔を空けて車両が停車しているのであるから、当然この付近では西側交差通路から進行して来て南行車線に右折進入して来る車両のあることを予測できるものというべく、これに備えて減速徐行すべき注意義務があつた。ところが被告八木において右注意義務を怠り漫然時速四五キロメートルの速度で進行した過失があつたため、本件事故が発生したのである。

(被告八木、同巴タクシーの答弁)

1  請求原因1の各事実は認める。

2  同2のうち、(一)は認める。(二)については被告八木の過失は争う。

3  同3については、(一)は不知、(二)ないし(五)は争う。

(被告八木、同巴タクシーの主張)

1  免責

本件事故は、被告赤木の一方的過失によつて惹起されたものであり、被告八木及び同巴タクシーには過失はなく、かつ被告八木の運転する乙車には構造上の欠陥又は機能の障害がなかつたから、被告八木、同巴タクシーには損害賠償責任はない。

すなわち、本件事故は、被告八木が南北道路を北から南に向い中央線寄りの車線を制限速度内で走行中、被告赤木が道路西側の狭い袋小路から一時停止せず、時速一五キロメートルの速度で南北道路の南行車線に飛び出してきたため発生したものであつて、当時南北道路の北行車線は渋滞していて車両が連続して停車していたため、被告八木としては被告赤木の運転する甲車が自車線に飛び出してくることは全く予見できなかつたものである。また、被告八木の過失の存否以外は本件事故の発生と因果関係はない。

2  損害の填補

被告赤木、同石橋鉄工の主張と同じである。

三  被告らの主張に対する原告の答弁

1  被告赤木、同石橋鉄工の主張のうち、1ないし3は争う。4は認める。

2  被告八木、同巴タクシーの主張のうち、1は争う。2は認める。

第三証拠〔略〕

理由

第一事故の発生

請求原因1の各事実は、当事者間に争いがない。

第二責任原因

一  運行供用者責任

請求原因2の(一)の事実は、原告と被告石橋鉄工、同巴タクシーとの間に争いがない。したがつて、右被告らは自賠法三条により(ただし、被告巴タクシーについては後記免責の主張が認められない限り)、本件事故による原告の損害を賠償する責任がある。

二  一般不法行為責任

請求原因2の(二)は、原告と被告赤木との間で争いがなく、被告八木については後記三の過失により本件事故を惹起させたことが認められるから、右被告らは民法七〇九条により、本件事故による原告の損害を賠償する責任がある。

三  被告巴タクシーの免責の主張

前記第一の事実に、成立に争いのない丙第七ないし第一三号証、第二一号証、被告赤木文治、同八木良一各本人尋問の結果並びに弁論の全趣旨を総合すると、次の事実が認められる。

1  本件事故現場は、南北に通じる国道一七〇号(以下、南北道路という。)とほぼ東西に通じる道路(以下、東西道路という。)とが交差する十字型交差点付近の南北道路上である。南北道路は、アスフアルト舗装され、平坦で前方の見通しが良く、歩車道の区別があり、車道部分は、中央線により南北各行車道に分離され、両車道はそれぞれ二車線に区分されており、南北各行車道の幅員はいずれも約六・四メートルである。東西道路は、交差点の西方部分の幅員は約四メートルで石橋鉄工株式会社に通じる袋小路となつており、東方部分の幅員は約五メートルで、南北道路の下を東西に貫流する用水路の南側に沿つて東西に通じている。なお、南北道路の最高速度は時速五〇キロメートルに規制されていた。事故当時、北行車道は渋滞状態で、車両はほぼ連続して停止していた。また、路面は乾燥していた。

2  被告赤木は、甲車を運転して石橋鉄工株式会社を出発し、東西道路の西方部分を東進して本件交差点を西から南に右折しようとしたものであるが、南北道路の手前で一たん停止して北行車道を北進する車両をやりすごしていたところ、同道路の北方の交差点の南北信号が赤になり、北進する車両が順次停止し始め、折しも自車右前方の北行車道の西側車線に普通貨物自動車が停止したので、その前を通過すべく直ちに発進して北行車道に進入したところ、右北行車道の中央線寄り車線を走行中の普通貨物自動車も停止して甲車に進路を譲つてくれたので、前記信号が赤なので南行車道を南進してくる車両はないものと思いつつ、自車左前方の北行車道中央線寄り車線に停止中のダンプカーの陰から南行車道を南進して来る車両の有無を確かめたうえ、そのまま一たん停車もせずに加速しながら時速約一五キロメートルで右折を開始し、南行車道に進入しかけたが、折から南行車道を乙車が南進してきていたため、同車の右前部に甲車の左前部を衝突させ、その衝撃により南西方向に車首を向けて逸走した甲車の左後部を乙車の右後部に再度衝突させ、更に、北行車道の中央線寄り車線に停止中の前記普通貨物自動車の右側後部に甲車の右前部を衝突させた。

3  一方被告八木は、被告巴タクシーのタクシー運転手で、南北道路は時々通行していたものであるが、事故当日、乙車に原告外一名を乗客として乗せ(原告が乙車に同乗していたことは当事者間に争いがない)、これを運転して南北道路南行車道の中央線寄り車線を時速約四五キロメートルで進行し、本件交差点を北から南に通過しようとしたところ、自車右前方約六・四メートルの北行車道の中央線付近に車首を南東に向け、南行車道に右折を開始している甲車を認めたので、衝突の危険を感じて直ちに急制動の措置をとつたが及ばず、前記のとおり甲車と衝突した。

以上の事実が認められ、被告赤木、同八木の供述中右認定に反する部分及び丙第八、第九号証の供述記載中右認定に反する部分は、丙第七、第一〇号証に対比してたやすく措信し難く、他に右認定を覆すに足りる証拠はない。

右認定の事実によると、被告八木はタクシー運転手であり、本件事故現場である南北道路を時々通行していたというのであるから、職業柄、道路状況とりわけ事故現場付近で南北道路と東西道路が交差していることは十分知悉していたものというべく、そうだとすれば、連続して停止している北行車道の側方を通行するに際して、今少し進路前方左右を注視し、停止車両の動静や状況に注意を払つて運転さえすれば、本件事故を回避することも可能であつたと考えられるから、被告八木に全く過失がなかつたということはできない。したがつて、その余について判断するまでもなく、被告巴タクシーの免責の主張は採用できない。

第三損害

一  受傷、治療経過等

成立に争いのない丙第一五号証、原告本人尋問の結果及びこれにより真正に成立したものと認められる甲第二ないし第五号証、証人榎本高明の証言及びこれにより真正に成立したものと認められる甲第六、第七号証、右証言により原告のレントゲン写真であると認められる検甲第一ないし第四号証並びに鑑定の結果によると、次の事実が認められる。

1  受傷

頸部捻挫

2  治療経過

昭和五三年一一月一〇日から翌五四年一一月二八日まで榎本整形外科に通院(内実治療日数四一日)。

3  後遺症

原告には、本件傷害のため後遺症として、(一) 頸肩背部の疼痛、眩暈、悪心、耳鳴、易疲労性等の自覚症状(二) 頸椎の運動制限(前・後屈各三〇度、左、右屈各三〇度、左・右回旋各六〇度)(三) 頸椎の前後屈に際して左肩甲挙筋部等に頑固な放散痛及び圧痛(四) 両上肢の腱反射の亢進(五) レントゲン写真上第五、第六頸椎の狭小化(経年性のものと認められる)等の各症状が残り、昭和五四年一一月二八日症状固定と診断された。ところが、その後昭和五六年六月の鑑定人の検診時には、易疲労性、悪心、耳鳴等は軽快ないしは消失していたが、頸背部痛は依然残存し、また、大後頭神経、大耳介神経等に圧痛点が認められ、頸椎の運動も側屈は正常であるが、後屈時はめまいや背中への放散痛のため運動が鈍く、頸圧迫テストで頸部から左肩への放散痛があり、左手握力が幾分減弱し、また左上肢の腱反射も右に比べて僅かに亢進しており、左前腕尺骨から手部の尺骨側にかけて知覚鈍麻、知覚異常が認められ、左上腕二頭筋、同三頭筋の筋力が僅かに減弱していた。また、レントゲン写真上第五、第六頸椎間の狭小化のほか、椎体後縁の骨棘形成等、変形性頸椎症及び椎間板症様の頸椎の変化(本件事故以前から存在した既存のものと考えられる)が認められた。

以上の事実が認められ、右認定を覆すに足りる証拠はない。

しかして、右のような原告の傷害ないし後遺症は、いずれも本件事故が契機となつて症状が発生しているものであるから、本件事故がその原因をなし、これと相当因果関係に立つものであることは否定しうべくもないが、他方、被害者に特有の変形性頸椎症及び椎間板症といつた身体的変化については、損害評価の面において、損害賠償の指導理念である公平の原則に照らして考慮するのが相当であり、原告は本件事故以前に前記のような愁訴も格別なく、また、本件全証拠によつても他に本件事故に起因するものと認められる頸椎の変形等が認められないことなどを考慮すると、右身体的変化の損害拡大部分に対する寄与度として、後記二の4のとおり、全損害額のうち五〇パーセントを減額し、残余の五〇パーセントを被告らに負担させるのが相当であると考える。

二  損害額

1  休業損害 一二五万三一九六円

成立に争いのない乙第一号証及び原告本人尋問の結果によると、原告は事故当時四四歳の女子で、婦人服仕立業を営み、本件事故以前一か月平均一〇万四四三三円の収入を得ていたことが認められるところ、右の事実に、前記一の事実すなわち原告の傷害の内容、程度、通院、治療の状況、後遺症の内容、程度等を併わせ考慮すると、原告の主張する休業期間のうち、事故当日から一年間の限度で休業はやむを得なかつたというべきであり、したがつて、本件事故と相当因果関係の認められる原告の収入喪失額は一二五万三一九六円となる。

(算式)

三一万三三〇〇÷一〇万四四三三(円未満切り捨て、以下同じ)一〇万四四三三×一二=一二五万三一九六

2  将来の逸失利益 三四万二二四六円

原告には、前記一の3認定の後遺症が残存しているところ、右後遺症の内容、程度、原告の年令及び従事する仕事の内容等を考慮すると、症状固定の診断された昭和五四年一一月二八日以降少くとも三年間、その稼働能力の一〇パーセントを喪失したものと認めるのが相当であるから、原告の将来の逸失利益を年別ホフマン式により年五分の割合による中間利息を控除して算定すると、次のとおり三四万二二四六円となる。

(算式)

一〇万四四三三×一二×〇・一×二・七三一〇=三四万二二四六

3  慰藉料 一四〇万円

本件事故の態様、原告の傷害の内容、程度、治療の経過、後遺症の内容、程度その他諸般の事情を勘案すると、原告の慰藉料額は一四〇万円とするのが相当であると認める。

4  公平の原則による減額

前記一で説示した理由により、本件事故による全損害額のうち五〇パーセントを減額し、残余の五〇パーセントを被告らに負担させることとする。そうすると、前記1ないし3の合計額は二九九万五四四二円であるから、その五〇パーセントを減ずると、原告の損害額は一四九万七七二一円となる。

第四損害の填補 二九万一一〇〇円

原告が、被告らの任意保険及び自賠責保険から、総額四二万八二八〇円の支払を受けたことは当事者間に争いがなく、成立に争いのない乙第二、第四、第七号証によると、そのうち二九万一一〇〇円が本訴請求にかかる損害金に充当されたものと認められるから、前記第三の二の4記載の損害額一四九万七七二一円から右填補分を差引くと、残損害額は一二〇万六六二一円となる。

第五弁護士費用 一二万円

本件事案の内容、審理経過、認容額等に照らすと、原告が被告らに対して本件事故による損害として賠償を求め得る弁護士費用の額は一二万円とするのが相当である。

第六結論

以上の次第で、被告らは各自、原告に対し、一三二万六六二一円及びうち金一二〇万六六二一円に対する本件事故発生の日の翌日である昭和五三年一一月一一日から支払ずみまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金を支払う義務があり、原告の本訴請求は右の限度で正当であるからこれを認容し、その余の請求は理由がないから棄却することとし、訴訟費用の負担について民訴法八九条、九二条、九三条を、仮執行宣言につき同法一九六条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 川上拓一)

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